- Q8.OC(低用量ピル)内服可能年齢は?
- Q9.将来の妊娠に影響しますか?
- Q10.副作用は?
- Q11.癌のリスクが上がると聞いたのですが・・・
- Q12.どんな人がOC(低用量ピル)を使用できないのでしょうか?
- Q13.OC(低用量ピル)内服による血栓症のリスクを教えてください。
- Q14.太りますか?

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OC(低用量ピル)内服可能年齢は?
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生理が始まっている方であれば特に問題ないとされています。
また、欧米では50歳を過ぎても内服されている方もおられます。年齢の上昇と共に基礎疾患などに注意が必要となりますが、月経が不規則になりやすく、前もって、OC内服による望まない妊娠を防ぐことは重要と考えられます。また、骨粗しょう症や更年期の症状を緩和させる効果の期待もあります。
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将来の妊娠に影響しますか?
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特に妊娠しにくくなることはありません。ピルを内服中に妊娠に気づいても、胎児への影響は無いとされています。勿論、わかった時点で内服は中止していただきます。
低用量ピルを内服していると排卵が止まり、卵巣を休ませることになります。内服を中止した後は、その反動で質の良い卵子が排出され、妊娠しやすくなるとも言われています。
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副作用は?
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副作用のほとんどは、内服を続けることにより回復してしまうものです。内服によりこれまでと異なるホルモンバランスとなり、身体が慣れるまでの1~2ヶ月の間は軽い症状が出現する方もいます。症状としては、頭痛・倦怠感・軽い吐き気・周期の途中で起こる軽度の出血・乳房の張りなどです。
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癌のリスクが上がると聞いたのですが・・・
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乳がんと子宮頚がんのリスクが上昇すると言われています。ただし、最近の統計によると乳がんに関しての影響は非常に少ないという結論に達しています。また、子宮頸がんに関しては、ピルの内服歴が5年未満の場合リスク上昇は1.1倍前後と少なく、5年以上の内服で1.88~1.90倍となるとされています。(lancet 2007 vol.370より)
これらのがんに関しては1年に1回は検診を受けたほうが良いでしょう。(内服していない人も2年に1回は検診を受けたほうが良いとされています。)
これに対し、子宮体がんや卵巣がんは大きくリスクが低下します。2007年のBMJ (British Medical Journal)によると子宮体がんは内服していない人に比べ0.54倍のリスク、卵巣がんは0.58倍のリスクと約2倍近くのリスク低下が報告されています。その他、大腸がん・直腸がん・発症部不明のがんなどのリスクも低下させることが分かっています。
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どんな人がOC(低用量ピル)を使用できないのでしょうか?
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A. 内服してはいけない人
(1) 乳がん・子宮体がん・子宮頚がん及びその疑いのある人
(2) 原因不明の性器出血のある人
(3) 血栓症の人、または血栓症に罹ったことのある人、血栓症になりやすいと言われた人
(4) 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
35歳未満の人でも喫煙と低用量ピル内服を併用すると、血栓症や心筋梗塞などの重大な副作用を引き起こすリスクが高くなります。できる限り禁煙していただいたほうが良いでしょう。
(5) 前兆が見られる片頭痛のある人
頭痛に先立って起こる症状があり、視界にチカチカした光が出現して、数分から数十分持続します。その後、酷い頭痛に襲われます。
(6) 手術後の人、出産直後の人、手術を予定している人
(7) コレステロール値や中性脂肪値に異常のある人
(8) 高血圧の人(軽度は除く)
(9) 授乳中の人B. 注意が必要な人
(1) 糖尿病またはその疑いのある人
(2) 肝臓・心臓・腎臓の病気にかかっている人、またはかかったことのある人
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OC(低用量ピル)内服による血栓症のリスクを教えてください。
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可能性はとても低いですが血栓症は重大な副作用です。血管の中に血の塊ができ血管を詰まらせたりします。特に下肢の静脈にできやすく、下肢のむくみやしびれ、圧迫したときの痛みなどは注意が必要です。海外の調査によると経口避妊薬を服用している人の静脈血栓症のリスクは、服用していない女性に比べ3~4倍に高くなるとの報告もあります(10万人に15~20人)。
内服中の注意すべき症状としては、先ほど述べたふくらはぎの痛み・手足のしびれの他、鋭い胸痛・舌のもつれ・視覚障害・めまいなどです。これらの症状は血栓症の初期症状の可能性もあるため見られた時はすぐに検査を受けましょう。